米オバマ政権が導入を決めた発電所から出る二酸化炭素(CO2)を減らす新たな規制について、全米の半数にあたる25州が23日、規制の無効を求める訴訟を連邦控訴裁判所に起こした。オバマ政権が力を入れる温暖化対策の中心となる規制で、判決次第では今後の対策が暗礁に乗り上げる可能性もある。

 米メディアによると、訴えたのは石炭産業が盛んな地域を含む中南部の州など。ほとんどが野党・共和党の州知事を抱える。25州の一つウェストバージニア州のモリッシー司法長官は声明で「違法で法外な規制から数百万の労働者の家族や高齢者、貧しい人たちを守る責任がある」などと述べた。

 オバマ大統領は今年8月、2030年までに発電所からのCO2排出を05年比で32%減らす方針を発表。州ごとに独自の行動計画を策定し、排出削減に取り組むよう求めている。だが、複数の州が協力に反対を表明するなど政権の狙い通りに規制導入が進むかどうか不透明になっている。

 発電所からのCO2は、米国全体の排出量の約3分の1を占め、オバマ政権が掲げる「温室効果ガスを25年に05年比で26~28%削減」する国際目標の達成に欠かせない取り組みになっている。(ワシントン=小林哲)